ヒール

▶ プラダを着た悪魔 2(TOHOシネマズ)


1はもう何度観たかわからない。映画館でも、サブスクでも、地上波でも。冒頭の、街を行き交う女性たちが服を選んで出かけていくあのシーンだけで、もう気分が上がってしまう。台詞もだいたい覚えているのに、流れていればつい最後まで観てしまう。そういう映画だ。

だから2が公開されると知ったときは、観に行かないという選択肢はなかった。映画館のプレミアムシートに、同世代か少し若い世代のお友達らしき5人が横並びに座ってはしゃいでいるのも、なんだか微笑ましかった。きっと1をみんなで観てきた仲間なんだろうな。わかるよ、その気持ち笑。


あの映画で好きになった

アン・ハサウェイも、メリル・ストリープも、エミリー・ブラントも——あの映画でますます好きになった人、きっとたくさんいると思う。眉ひとつ動かさずに人を従わせるメリル・ストリープの迫力も、振り回されながら垢抜けていくアン・ハサウェイも、忘れられない。

いかにもハリウッド!という仕立てだけど、それでいい。衣装も、街も、台詞のテンポも全部が華やかで、美しい女たちはみんな素敵だ。観終わったあと、背筋を伸ばして歩きたくなる。


みんながちょっと老けていて、それが格好良かった

2を観て一番いいなと思ったのは、みんながちょっと老けていて、そこがすごく格好良いということ。あれから何年も経って、目元や口元に時間が刻まれている。でも、それを隠そうとしていない。むしろその皺ごと堂々としていて、若い頃よりずっと魅力的に見えた。

潔く、格好良く、清々しい。酸いも甘いも味わいつくして、良いことばかりじゃない、キレイゴトばかりじゃない人生を——それでもピンヒールで歩いてくれるスクリーンの中の人たちに、ほんの少しでも自分の人生を重ねたりできる、魔法のような時間だった。