天の川をイメージした琥珀羹と星形の上生菓子が乗った銘々皿

7月に入って最初のお稽古の日、お菓子が出た瞬間、「わあ」と声が出た。

天の川をイメージした、夜空の藍から白、金色へと移りゆくグラデーションの琥珀羹に、星を散らしたような金箔。隣には星をかたどった小さなお菓子もひとつ。小さな和菓子の中に、七夕の夜が閉じ込められているようだった。食べるのがもったいない、でもおいしい。毎回この葛藤がある。


和菓子は「先取り」が粋

茶道の和菓子は、季節を少し先取りして選ぶのが作法というか、美学だと教えていただいた。七夕は7月7日なのに、その前から七夕の菓子を出す。桜の季節が終わってから桜の菓子を出すのは「野暮」とされる。

これを知ってから、和菓子を見る目が変わった。今出ているということは、もうすぐその季節が来るというサインだ。和菓子が教えてくれる季節のめぐりがある。


稽古場の夏

7月のお稽古場は、風炉(ふろ)の季節まっただ中だ。

炉と風炉の違いを最初に習ったとき、「そんなに大事なことなの?」と思った。でも季節によって道具の配置も点前も変わるとわかってからは、「あ、今年も風炉に変わったな」という季節の体感が自然についてきた。

稽古場では、先輩たちはほとんど着物を着ていない。そんな中で私は今回、浴衣ではなく薄物を選んだ。ひとりだけでも、夏の稽古に薄物で座ると気持ちがしゃんとする。


お菓子の名前を覚えること

お稽古の日にいただいたお菓子の名前は、できるだけ覚えるようにしている。その日の軸のことばや花との取り合わせで、先生がどんな気持ちでその日を組み立ててくださったかがわかってくる。

七夕の菓子が出た日、軸は「無心帰大道」だった。今年も7月7日は雨の予報だ。


よくある質問

Q. お茶のお稽古でお菓子は毎回出るのですか?

教室によりますが、濃茶のお稽古には主菓子、薄茶のお稽古には御干菓子をいただきます。季節のお菓子が楽しみで通っている方も多いですよ。

Q. 和菓子の銘(名前)はどこで知ることができますか?

お稽古のときに先生が教えてくださることが多いです。老舗和菓子店のウェブサイトや菓銘帖(かめいちょう)でも調べられます。