2026年10月4日、靖國神社の献茶式奉賛茶会に行ってきた。お家元がご神前にお茶を献じる献茶式に合わせて開かれる茶会で、境内に3つの席が設けられる。一緒に行ったのは、お茶のお稽古の先輩。
献茶式はパスした、のに
献茶式は 早朝が過ぎるのでパスした。
ところが本殿に向かっていたら、お家元がお出ましになるタイミングで、図らずも拝見できた。
濃茶→立礼→点心→薄茶
濃茶→立礼→点心→薄茶 の順で、とてもスムーズに廻ることができた。
点心も山里で、盤石なお食事でした。
季節を堪能するお茶会の楽しさ。季節も良く、雨もふらず、とてもいい気持ちだった。
大寄せにありがちな、お茶が適当(しゃばしゃばだったり、ダマってたりが無くて)じゃなくて良かった笑
撮れないので、会記で振り返る
お茶席で 写メ撮ったりするの厳禁だから、手元に残るのは会記(=その日の道具の一覧)だけ。気になったところに、ひとことずつ説明を添えておく。
濃茶席(洗心亭)
- 寄付(待合)の掛物:狩野探幽・天室の合筆「月ニ雁」。絵は探幽、賛(絵に添えた漢詩)は天室
- 本席の掛物:利休筆「小板の文」。宛名の「古織」は古田織部、署名の「宗易」は利休のこと。利休が弟子の織部に宛てた手紙
- 長板(道具をのせる板):姫路城の古材
- 茶入:宗旦好の狂歌嚢。仙叟の直書で「心だに まことの数寄に入るならば 習わずとても茶の湯なるらん」。心が本当に茶の湯を好きなら、習わなくてもそれは茶の湯だ——という一首
- 茶碗:彫三島。替(2碗目以降)には、唐の詩人・盧仝の「七碗茶歌」が刻まれていた。一碗で喉がうるおい、七碗目にはもう飲めない、両脇から清らかな風が起こる——という、お茶をたたえる詩
- 御菓子:「初雁」(叶匠寿庵製)。柔らかな求肥のお餅
寄付に月と雁、お菓子は初雁。数日後の七十二候は「鴻雁来(こうがんきたる)」で、雁が渡ってくるころ。
月ニ雁の軸は、趣があって素敵だった。本物を身近に見られて感激。お菓子も初雁で、とっても美味しかった。
お点前座が遠くて、あんまり良く見えなかったけど、改まった席というよりは、皆さんウキウキと大寄せを楽しんでいらっしゃる、和やかな雰囲気だった。
薄茶席・立礼(啓照館)
立礼(りゅうれい)は椅子に座っていただくお点前。裏千家11代の玄々斎が明治のはじめに考えたもの。
- 掛物:坐忘斎御家元筆「渓水山雲」
- 茶杓:淡々斎作、歌銘「菊の白露」。「仙人のかざしの花のしただりか 幾千代かほる菊の白露」。菊の露は長寿のしるし
- 御菓子:「白菊・菊の葉」
薄茶席(靖國会館)
- 掛物:井上有一筆。井上有一は昭和の前衛書家
- 結界(客と亭主の境に置く仕切り):法隆寺の天平古材。香合は室町時代のもの
- 茶碗:雨漏り堅手(李朝)。雨漏りの染みのような景色をめでる茶碗。替の信楽は、席主の方の手づくり
- 御菓子:「秋香」(塩野製)。カステラみたいな、パステルカラーの素敵なお菓子。流石塩野って感じ
荘厳で、手入れの行き届いた庭
靖国はやっぱり 荘厳で とても美しい手入れの行き届いた庭園。
御池の鯉や、大きな鳥。多分アオサギ。
桜の時期の茶会も絶対きたいけど、やっぱりお茶券がなかなか手に入らないらしい。でしょうね、あのお堀廻りの桜の名所、千鳥ヶ淵。足の踏み場もない渋滞になる。
帰りはとらやで、和菓子三昧
帰りに東京駅丸の内北口の キャットウォークにあるとらやで、あんみつ頂きました。ホテルの2階なんだけど、駅舎の中からのれんが見えるようになっている。
和菓子三昧。
よくある質問
Q. 献茶式奉賛茶会とは何ですか?
お家元が神社のご神前にお茶を献じる「献茶式」に合わせて開かれる茶会です。靖國神社では境内の茶室などに複数の席が設けられ、茶券を持って順にめぐります。
Q. 茶席で写真は撮れますか?
席中の撮影は基本的にできません。その日の道具は、受付でいただく会記(道具の一覧)で振り返ります。